一般社団法人リボーンプロジェクト

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バヌアツ共和国にワクチン視察

今回、バヌアツ共和国を訪問し、ワクチンが現地でどのように保管・運搬され、子どもたちへ届けられているのかを実際に確認する視察を行いました。

都市部の病院やワクチン保管施設だけでなく、電気のない地域や離島にも足を運び、ワクチン接種を取り巻く環境、現地で行われている啓発活動、栄養支援、教育環境などを視察しました。

日本で行っている支援が、現地でどのようにつながっているのかを知る貴重な機会となりました。

1日目 エファテ島へ到着

バヌアツ・エファテ島へ到着する機内からの風景
エファテ島へ到着。ここから6日間の視察が始まりました。

日本からバヌアツへ移動し、首都ポートビラのあるエファテ島に到着しました。

今回の視察では、ここからさらにサント島や離島、村落部へ移動しながら、それぞれの地域におけるワクチン接種の状況を確認していきます。

島が多く、地域によって交通や電気などの生活インフラも大きく異なるバヌアツでは、必要なワクチンを安全な状態で各地域まで届けること自体が重要な課題です。

2日目 サント島でユニセフ事務所・病院・ワクチン保管庫を視察

サント島で視察した病院
サント島の病院を視察
ワクチンを適切な温度で保管するための保管設備
ワクチン保管設備を確認しました。

エファテ島からサント島へ移動しました。現地ではユニセフ事務所を訪問し、その後、島で最も大きな病院やワクチン保管庫を視察しました。

ワクチンは、接種するまで適切な温度で保管する必要があります。そのため、ワクチンそのものを確保するだけでなく、保管設備を整え、温度管理を続けながら各地域へ届けていくことが欠かせません。

実際に使用されている設備を確認し、ワクチン支援には、ワクチンの提供だけではなく、保管や輸送を含めた仕組み全体が必要であることを学びました。

3日目 サント島北部・ポート・オルリィ村を訪問

村の集会所で日本からの寄付品を子どもたちに渡す様子
日本から持参した寄付品を子どもたちへ

サント島北部にあるポート・オルリィ村を訪れ、都市部とは大きく異なる環境の中で、ワクチンがどのように保管され、子どもたちへの接種につなげられているのかを確認しました。

電力インフラが整備されていない村では、ソーラーシステムと蓄電システムを利用し、保冷庫内の温度を一定に保つ仕組みが導入されていました。サイクロンが多いバヌアツでは、サイクロンが来る前にソーラーパネルをすぐに取り外せるよう工夫されており、厳しい環境の中でもワクチンを適切に保管するための対策が取られていました。

また、村の集会所では、地域住民にワクチンの必要性や接種について伝える啓発活動も視察しました。コロナ禍以降、ワクチンに対して悪いイメージを持つ住民も増え、接種率が低下している現状があるとのことでした。ワクチンを用意するだけでは接種にはつながらないため、保護者や地域の人たちに正しい情報を伝え、理解を深めてもらう啓発活動の重要性が高まっています。

視察後には、日本で皆さまから寄付していただいた文房具やおもちゃを村の子どもたちへ届けました。子どもたちに直接手渡し、一緒に交流する時間を持つことができました。

サント島北部の村にある小学校の教室
村の小学校も訪問し、教育環境を見学しました。

さらに村の小学校も訪問し、子どもたちが学ぶ教室や授業の様子を見学しました。

4日目 ルーガンビル市内の病院でワクチン接種を視察

村の医療施設で行われるワクチン接種の様子
実際のワクチン接種現場を視察

ルーガンビル市内にある病院を訪問し、実際に子どもたちへワクチンが接種される現場を視察しました。

ポリオワクチンをはじめとしたワクチンが、現地の医療従事者によって子どもたちへ接種されている様子を間近で確認しました。

バヌアツには看護師を養成する学校はありますが、医師を養成する大学はなく、医師を目指す場合は海外で学ぶ必要があります。そのため医療従事者が不足しており、特に人口の少ない島や遠隔地では医療従事者が常駐していない地域もあります。

こうした地域では、看護師がワクチンを持って自ら地域へ出向く「アウトリーチ」によって接種を行っています。島々に人が分散して暮らすバヌアツでは、接種を受ける機会そのものが限られることも、ワクチン接種率が上がりにくい要因の一つとなっています。

日本で寄付や支援という形で関わっているワクチンが、最終的には一人ひとりの子どもへ届けられることで初めて支援として実を結びます。保管庫で管理されていたワクチンから、村への輸送、保護者への啓発、そして実際の接種まで、一連の流れを現地で確認できたことは大きな意味を持つものでした。

視察終了後、サント島からエファテ島へ移動しました。

5日目 モソ島のワクチン接種と栄養支援を視察

エファテ島からモソ島へ向かう船
船でモソ島へ移動しました。

エファテ島から船でモソ島へ向かいました。

モソ島の人口は約400人。島には看護師が常駐しておらず、看護師が定期的に島を訪れ、その機会に子どもたちへのワクチン接種などが行われています。

モソ島の村の風景
モソ島の生活環境も視察

人口の少ない島には医療従事者が常駐していないことも多く、看護師がワクチンを持って定期的に島を訪れるアウトリーチが重要な役割を担っています。一方で、天候や移動手段などにも左右されるため、住民がいつでも接種を受けられるわけではなく、こうした地理的・人的な条件も接種率が上がりにくい要因となっています。

また、島では芋などの炭水化物を中心に食事をとることが多く、栄養面にも課題があります。こうした状況に対し、オーストラリアの支援などにより、ワクチン接種とあわせて栄養補助食品を提供する取り組みも行われていました。

子どもの健康を守るためには、感染症を防ぐワクチンだけでなく、成長を支える栄養への支援も必要です。現地では「ワクチン」「医療」「栄養」がそれぞれ別の問題ではなく、子どもたちの命と健康を守るためにつながっていることを実感しました。

6日目 エファテ島の小学校を訪問

エファテ島の小学校で行われている授業
エファテ島の小学校で授業を見学

最終日はエファテ島内の小学校を訪問しました。

現地で活動しているJICA海外協力隊の方とともに学校を訪れ、実際の授業風景を見学しました。また、現在のバヌアツにおける教育事情や、子どもたちを取り巻く環境についても話を伺いました。

今回の視察ではワクチンや医療を中心に見てきましたが、子どもたちが健康に成長していくためには、医療だけでなく、栄養や教育、生活環境などさまざまな支えが必要です。最後に学校を訪れることで、支援の先にいる子どもたちの日常や未来についても考える機会となりました。

また、地域による文化や考え方の違いもワクチン接種に影響しています。視察で伺った話では、バヌアツ南部のタンナ島を中心とした地域では部族としての結びつきが強く、伝統的な信仰や黒魔術を信じる文化も残っており、こうした背景がワクチン接種への理解を得るうえで難しさにつながる場合があるとのことでした。

視察を終えて

今回のバヌアツ視察では、ワクチンが保管庫から病院へ、さらに都市部から村や離島へと運ばれ、最終的に一人ひとりの子どもへ接種されるまでを実際に見ることができました。

特に印象に残ったのは、電気がない地域や看護師が常駐していない離島でも、さまざまな工夫と支援によって子どもたちへワクチンを届けようとしていることです。

ワクチンを保管する設備、届ける人、交通手段、接種する医療従事者、保護者へ必要性を伝える啓発活動。そのすべてがつながることで、初めて一人の子どもへの接種につながります。

また、今回の視察ではワクチンだけでなく、栄養や教育の課題についても知ることができました。そして、日本で寄付していただいた文房具やおもちゃを現地の子どもたちへ直接届け、笑顔で受け取ってくれる姿を見ることもできました。

日本から遠く離れたバヌアツですが、私たちが日本で行っている活動の先には、実際に暮らしている子どもたちがいます。

今回現地で見たこと、聞いたこと、感じたことを日本へ持ち帰り、今後の活動を通して多くの方に伝えていきたいと思います。そして、一人でも多くの子どもたちの命と未来につながる活動を、これからも続けていきたいと思います。

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